[生活保護最多] 自立支援の強化が急務

全国の生活保護受給者が7月時点で205万人を超え、これまで最多だった1951年度の月平均を60年ぶりに上回った。世帯数は148万世帯を超え、過去最多を更新し続けている。

 生活保護制度は憲法が定める「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する最後のセーフティーネット(安全網)だ。事情があって働けず、生活が維持できない人を社会で支えるのは当然である。一方で、保護費総額は年3兆4000億円に上り、国や地方自治体の財政を圧迫しているのは見過ごせない。

 鹿児島県内の受給者は7月時点で3万1617人と過去10年間で最多だった。2010年度には支給総額が初めて500億円を突破した。

 長引く景気低迷に加え、東日本大震災もあって、今後さらに増加する可能性は高い。生活保護しか頼れない人が増えるのを防ぐため、国は自立や就労支援の安全網の強化を急がなければならない。

 もともと生活保護受給に占める割合が高いのは、高齢者や傷病者、障害者などの世帯だった。だが、08年のリーマン・ショック以降、働き盛りを含む年齢層の受給が増え、07年度(月平均)の11万世帯に対し、今年7月には25万世帯になった。雇用保険に非加入の非正規労働者の解雇が相次いだのも急増の要因だ。

 失業者の就労促進が課題だが、労働市場の厳しさは相変わらずだ。有効求人倍率は07年度の1.02倍から09年度は0.45倍に低下した。

 政府は10月から職業訓練を受けながら月10万円の給付金を受け取れる「求職者支援制度」を開始した。実施主体のハローワークは自治体と連携し、企業の求人開拓にも本腰を入れて制度の実効性を上げてほしい。

 受給世帯の42%を占める高齢者世帯の貧困も問題だ。高齢者に一定額の最低保障年金を支給するなど、政府が進める社会保障と税の一体改革の中で検討する必要がある。

 生活に苦しむ人を宿泊施設に住まわせて、保護費を搾取するような「貧困ビジネス」も社会問題化している。生活保護制度の信頼を守るためにも、被害の拡大を防ぎたい。

 収入や資産を隠して保護費を受け取る不正受給の増加は見過ごせない。09年度は1万9726件、約102億円の不正受給があった。

 自治体は受給手続きや相談、訪問を担当するケースワーカーに十分な人員を配置し、監視と支援の目配りを行き届かせたい。

=引用:2011.11.12  . :南日本新聞=
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豊中市障がい者市民の会

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