国民健康保険:生活保護費から滞納分 国指針なし、21市区が受領

全国の道府県庁所在地と東京23区の計69市区のうち、9市区が生活保護費から国民健康保険(国保)の滞納保険料(税)を求めていることが毎日新聞の調査で分かった。

憲法で保障された最低生活のための費用である生活保護費から負担を求めることについて、厚生労働省は「好ましくない」(保護課)としている。

ただ、市町村が運営する国保財政が悪化している中で、国が明確な指針を示していないことが自治体に「勇み足」をさせる原因ともなっている。(3面に「安心が逃げていく 皆保険半世紀」)

生活保護受給者は医療費の自己負担がなく、保険料納付も不要。受給開始前の滞納分についても、生活保護法は保護費の差し押さえや天引きなどの強制徴収を禁じている。

ただし、「本人の同意」による滞納分の納付には規定がない。厚労省は禁止の通知を出しておらず、自治体の対応は分かれている。

毎日新聞の調査によると、京都市や宇都宮市など9市区では、生活保護受給手続きの際に口頭で支払いを求めたり、督促状を送るなどしている。

また、高松市や足立区など12市区は積極的には求めていないが、本人の申し出があった場合などに納付を受け付けている。

一方、残る48市区は滞納処分の執行停止や免除をし、基本的に受け取っていない。首都大学東京の岡部卓教授(社会福祉制度論)は「滞納分の納付が自主的であろうと最低生活費を割る生活をさせていることになる。本人が払うと言っても受け取らないのが正しい対応だ」と話す。

もっとも、生活保護費に滞納分を求めている自治体も苦慮している。09年度の国保の平均保険料納付率は88・01%と過去最低で、滞納世帯の割合は20・6%に達した。国が基準を示さない中、「生活保護を受けず、ギリギリの生活をしている人には請求している」(前橋市)という実態もある。

調査には「法律上、払うべきものを払わなくていいとは言えない」(神戸市)と苦悩する声や、請求をしていない自治体からも「生活保護だからといって何もしなくていいのかという思いはある」との意見が寄せられた。【山田夢留】

==============

 ◆国保保険料を生活保護費から集めている自治体

 <自治体側から支払いを求めている市区>

 宇都宮市、前橋市、富山市、京都市、和歌山市、鳥取市、松山市、高知市、東京都荒川区

 <本人の申し出などで支払いを受ける市区>

 新潟市、金沢市、甲府市、名古屋市、大阪市、神戸市、徳島市、高松市、大分市、東京都中央区、文京区、足立区

引用:毎日新聞 2011年11月5日 東京朝刊
------------------------------

豊中市障がい者市民の会

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.13-ja