生活保護最多 きめ細かな安全網必要

全国で生活保護を受けている人が、7月時点で205万495人と、1951年度以来60年ぶりに過去最多を更新した。

 道内も16万5088人で、道民の33人に1人が保護を受けている計算になる。

 戦後の混乱が残る時期の受給者を上回るのは、異常な状況だ。

 生活保護は、最低限の生活を保障する最後のセーフティーネット(安全網)である。支えが必要な人を社会がしっかり守るのは当然だ。

 同時に、生活保護しか頼れない人がこれ以上増え続けないよう、あらゆる手だてを講ずることを忘れてはならない。

 最近急増している受給者は、働き盛りの世代だ。2008年のリーマン・ショック以降、雇用保険の手当を受けられない非正規労働者を中心に解雇が相次いだためという。

 そうした人たちに、職に就くことを勧めるだけでは自立は難しい。再就職できても賃金が低く、再び受給者に戻る例が多いからだ。

 雇用対策一辺倒とならず、さまざまな安全網を張り巡らせたい。

 政府は社会保障政策を総動員する必要がある。まず、諸外国に比べ厳しいとされる雇用保険の受給要件を緩和することだ。

 非正規労働者の待遇を改善するために、健康保険や厚生年金の適用拡大も急ぐべきだ。

 10月からは、雇用保険対象外の人が、職業訓練を受けながら月10万円の給付金を受け取る「求職者支援制度」が始まった。成果が期待されるが、訓練後、安定した就職をするためには企業側の協力が不可欠だ。

 今ある施策や施設を、きめ細かくより合わせることも求められる。

 例えば自治体が失業者に公営住宅などを提供する現物給付だ。収入の少なさを補うことができる。

 最近、生活困窮者に保護費を受給させ、割高な家賃を徴収する「貧困ビジネス」が横行している。住宅の提供などは被害防止にも役立つはずだ。

 09年に東京都内で行われた「年越し派遣村」のように、NPOやボランティアによる支援も活用したい。

 生活保護の受給者は経済成長とともに減少し、95年度には最少の約88万人になった。その後、不況に加え、無年金、低年金の高齢者が増え、上昇傾向が続いていた。

 受給者増に伴い、国や自治体の財政負担が重くなっているのは確かだ。指定都市市長会は、支給を期限付きにする案を国に提案している。

 まず「打ち切り」ありきの考えは本末転倒だ。本当に必要としている人に、支援の手が届かないようなことがあってはならない。

=引用:2011.11.10  . :北海道新聞=
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豊中市障がい者市民の会

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